ペーパーナイフ
(正倉院御物の刀子(トオス)をアレンジ製作しました)
当時は帯飾りとしても用いられ鞘の色などで階級を表していました。
その色は、撥瑠(バチル)といい、象牙を草木染めする技法で染められていました。
小刀のみならず、のこぎりなど、ちいさな小道具品として、何本か
重なったものもありました。
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現代になり、刀匠の隅谷正峰(元重要無形文化財技術保持者・人間国宝)が
正倉院御物の中から発見され、制作される方も増えていき、
制作コンクールなども開催されました。
隅谷氏の刀子の錆付けの部分には唐草模様や落款風の金象嵌が施されています。
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三越にて個展の申し込みをしたところ、とても小さいナイフばかりで金額も高価でした。
美術担当者は困惑したそうですが、開催したらほぼ完売(億)でしたので、とても驚いたそうです。
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隅谷宅に伺った時、唐の巻き方に苦心されていた事を思い出します。
元は醤油の製造元でして、太い柱が黒く、古民家の雰囲気漂うお宅でした。
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研ぎ師として下地研ぎ(仕上げは父)をしていましたが、刃まち部分のラインを
整えるのにとても慎重さが必要でした。
螺鈿・銀金具
籐巻き漆仕上げ
欅鞘・銀金具・漆
螺鈿・真珠粉・銀金具
パリ・ナイフショー出品作
オリジナル・ペーパーナイフ
このナイフは1本の鋼を削り出して制作したものです。
刃は、焼きいれを施し、持ち手は本皮を使用
全て鋼の削り出しのペーパーナイフ
持ち手部分は錆付けしてあります。
「はばき」は銀製・持ち手は加工木