流し染め」とは新たに名づけられた独自の技法と表現
マーブリングという技法がありますが、水面に墨流しのように模様を描き紙や生地をふせて模様を
写し取ります。それは予想のつかない文様を生み出す面白さがあります。

流し染めはそのマーブリングと墨流しの表現法を応用したもので、技法はそれらとは違います。

独自の技法・絵画表現法ということで、「流し染め」と銘々しました。(1985年)
風景を表現しているところを初めとして自然の中にあるものたとえば木目・波・山
・最近では、蝶・などという被写体を明確に表現しています。
あくまでも絵画的表現を前提とした作品です。表現の違いから流し染めと、銘々した造語です。
特長
・墨流し風の線にぼかし染めが重なり色のグラデーションが加わります。
・自然なグラデーションによる光と影の表現
・筆跡が無い

流し染めのできるまで。

日本刀の研磨師をしていたころでした。
ふと桶の水面に研ぎ水が墨流しの様な模様を描きました。
時折見つめながら面白い文様になると、そのまま止まってくれるといいな。
という思いがつのり、ふとした瞬間、和紙・墨汁・という材料
そして、技法の様なものが脳裏をかすめ、同時にイメージがひろがりました
ほんの一瞬のような気がしました。
一週間ほどで小さな作品が完成ました。
それを知り合いの音楽家雨田公次氏に見せたところ面白いと評価され
数ヶ月後、チェンバロ装飾の製作をすることになったのが最初の仕事です。
初めの頃は刃紋を表現していましたが、その刃の模様は山に見え風景
がイメージできました。それまでは墨のみでしたが、染料を用いることで
より、空模様を表現できるように考えました。
しかし、問題は技法・紙・染料が合わなければうまく仕上がりません。
紙を探す事。染料を知ることがとても必要になりました。
試行錯誤の末、夕焼け・星などを表現することもできました。


注 最近ネットなどでTシャツ・反物・ジャケットなど、ショッピングサイトなどで販売されています。
   また、間違って、墨流し・マーブリングと同様な技法と紹介されています。
   類似品にご注意下さい。
   今のところ独自販売しかしておりません。
   ご連絡頂ければ侵害サイト返答致します。